第6章 『理解』 4
今日はエリシアの誕生日。
気分良く出勤した次の瞬間には、いやぁな監査官に付き添われて、夢だと思いたいような部屋に呼び出されていた。
「お久しぶりです。エイドス中将。」
「わっはっは!そう硬くなるな。ビーネの父親だろう!」
……ビーネの父親だから恐縮するんだよ!
何やらかしたんだよあいつはっ!
「しかし、ビーネは大きくなったな。」
「あいつは勝手に成長したんです。俺はなにも。」
「いやいや。奴は立派なファザコンに成長したぞ!」
がはははは!と笑う中将。
……他人の息子によくファザコンとか言えるよな。
すげーよ。
「わしの厳しい修行にも耐え、誰よりもすばらしい技術を会得した!わしの自慢の孫だな!わっはっは!」
「…はぁ。」
「お前も良い息子を持った!」
それだけだ!と部屋をつまみだされる始末。
……ったく、何なんだあのサングラスじぃさん。
早くくたばんねぇかな。
「あー、仕事メンドくせぇ!」
午後からは非番。
まずはエドワードの見舞いに行ってから家に帰ろう。
ビーネは今日もあいつの所だと言っていたから、きっと居るだろう。
「ようエド!病室に女連れ込んで色ボケてるって?」
「わぁあ!」
バン!と思い切り扉を開けたら、エドワードの機械鎧を掴んでいたビーネが驚き、その手を引っ張ってイスから転げ落ちてしまった。