第4章 『理解』 2
二人が話し掛けたのは、紛れも無くアルフォンス君。
確かに『鋼の錬金術師』なんて聞いて、目の前に鎧がいればそっちがそうだと思うよ…。
「…あっちのちっこいの?」
アルフォンス君が困惑してあっちあっち、と指差す先には、エドワード君。
険しい表情で二人の軍人を半ば睨みつけている。
「こっ…これは失礼いたしました!!」
「ちっこいだなどといえ、その…」
一瞬止まった空気。
「誰が豆粒ドちびだこのやろォォお―――――!」
「あはは。」
ホームにエドワード君の怒号が響く。
アルフォンス君が彼を抑えて、殴る蹴るの惨事には至らなかった。
「ロス少尉、ブロッシュ軍曹。二人はアームストロング少佐の部下ですね?」
「はい!」
「なら…エドワード君、アルフォンス君。この人たちと一緒に中央では行動するように。僕は仕事があるから、ここでお別れだ。」
まずはアルフォンス君と握手を交わし、エドワード君に手を差し出す。
「…世話になったな。」
「こちらこそ。落ち着いたら顔を出してよ。父さんも喜ぶ。…健闘を祈るよ。」
「あぁ、サンキューな。」
僕は彼らに手を振り、そそくさとホームを後にした。
車に乗り込み早速軍部へと戻る。
カツ、カツ。と踵を鳴らしながら、いつもの廊下を歩く。
「おかえりなさい、副司令」
僕より年上の部下たちが笑顔で迎えてくれる。
「ただいまもどりました。」
うん。
いつのも光景だ。
「中将。ヒューズです。」
「おぉ、入れ!」
コートを脱いで髪を整えてすぐに中将の部屋へと向かった。