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七色の雫 ~生きる道の再構築~

第3章 『理解』


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夕方、薄汚れたアルフォンス君に、夕食だよ。と起こされた。
ぎゃんぎゃんと騒ぎながら夕食をするエドワード君とウィンリィさん。

「すまないね、煩くて。」
「いえ。慣れてますから。」
「あんたにも、家族がいるかい。」
「えぇ。親バカな父と母と、今3つになる妹が一人。」
「そうかいそうかい。」

楽しそうに笑いながら、賑やかな彼らを見ているピナコさんはとても幸せそうだった。

翌日

朝の早い時間に出発することを決めていた僕たちは、静かに支度を済ませた。

「世話になったな、ばっちゃん。」
「あぁ。」
「ピナコさん。お世話になりました。」
「いいんだよ。またおいで。」

エドワード君もいつものように手袋をはめ、鞄を持つ。
アルフォンス君が家の中を覗き込んで、ピナコさんに聞く。

「あれ?ウィンリィは?」
「徹夜続きだったから、まだぐっすり寝てるよ。起こしてくるかい?」
「あー、いいよいいよ。起きて来たら機械鎧の手入れはちゃんとしろだのあーだこーだ煩いから。」
「はは、ウィンリィさんらしいね。」

じゃぁ。と歩きだした僕らの背中に、スパナ。ではなくウィンリィさんの声が飛んできた。

「エド、アル…!いってらっさい。」

寝ぼけ眼で家の二階から手を振る。
アルフォンス君は嬉しそうに手を振り返し、エドワード君は小さく返事を返しただけだった。

「ヒューズさん、また!」
「ありがとう!ウィンリィさんもお元気で!」

大きく手を振り、僕らは歩きだす。






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