第3章 『理解』
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あれから二日後。
エドワード君の腕と足が出来上がり、それをいよいよ繋げるという。
「いいかい?いくよ?…いち」
「にィの」
「さんっ!」
「でっ!」
ピナコさんは左足を、ウィンリィさんは右手の機械鎧を同時にはめる。
機械鎧をつける時は痛いと聞くがそれは本当のようで、エドワード君の顔は痛みに歪んだ。
「――っ毎度この神経つなぐ瞬間が嫌でよ…」
「じゃぁ、動かして見て。」
ここから細かい調整でもするんだろうか。
その時ちょうど、ガラガラガッシャーン!と派手な音が外から聞こえたので、僕が見て来る。と言って外へ向かった。
「アルフォンス君!」
「ヒューズさぁん!」
僕が作ったつたない右足が崩壊し、アルフォンス君がその場に崩れていた。
「僕じゃ鎧の構造も知らないからねぇ。すぐにエドワード君が出て来るよ。」
「――アル!大丈夫か!」
腕と足が元通りになったエドワード君がすぐにアルフォンス君を錬金術で治し、これで晴れて二人とも元通りになった。
「よーし、んじゃ早速…」
そう言って始まった二人の組手。
ボ―――――っと眺めていたら急に眠気が襲って来た。
「あまり手荒に扱ったら、ウィンリィさんに怒られるんじゃ?」
「これは、手足の作動確認も兼ねて組手をやってんだ!」
「それに、ここしばらく身体を動かしてなかったからカンを取り戻さないとね。」
「…そ、そうだね。」
作動確認にしてはちょっと手荒過ぎる気もしないが、ウィンリィさんのお叱りスパナが飛んでこないのでいつもの事なのだろうと、無理やり納得する。
「じゃぁ、僕は少し眠らせてもらうからね。」
「ん?…あぁ。」
いくらここが田舎でなんにも事件が起こりそうになくても、警護対象と一緒になってぐーすか寝るわけにもいかず、ここ数日夜は寝ずにそれなりに警戒をして、昼間はエドワード君の行動に注意しながらうとうとするばかり。
「も…限、界」