• テキストサイズ

七色の雫 ~生きる道の再構築~

第24章 『再・理解』   3



馬上の人になってそろそろ2週間。
アームストロング少将もたぶん中央に潜伏している頃だろう。

「幽霊の僕はどこへ向かうべきか。」

森の奥深くに錬金術で泉を作り、沐浴。
そう。
僕はブリッグズで死んだことになっている。
アームストロング少将の前で、レイブン中将の死を嘆き自害。まぁまぁ世間が聞けば、類い稀な忠誠心である。と話しのネタになりそうな話だが…。
実際には軍から逃れるためだ。
自慢じゃないが、僕の戦闘力は大総統に勝るとも劣らないだろう。
それを軍に封殺されてしまうのはいささか勿体ないというもの。

「お。お前も水が飲みたいか。」
「ブルルル。」

……奴らがアメストリス人たちを使って、新たな賢者の石を作りだそうとしている。
人造人間の『お父様』はやはりホーエンハイムさんなのだろうか。
いや、それは無いだろうな。二人と奴の間に面識はなさそうだった。
では、彼らのもくろみを手っ取り早く挫くには?

「穴を破壊する?」

それが一番だろう。
では、その円形に張り巡らされた巨大な穴はどこにあるのか。
エドが次はブリッグズだと言っていた。
「アメストリス全体」と「ブリッグズ」ヒントは二つ。
考えられるのは、地図上のブリッグズは最北端。
少なからずその円形はブリッグズの真下を通っているのであれば、そこから綺麗に円を書く。

「んと。ここがブリッグズ。セントラル。イースト、サウス…」

円が通っていて一番近そうな街。
ここらへんだと、リオールが近いのか。
セントラルからも遠い。
運よく列車に乗り込めればセントラルまで一直線だ。
確実に馬よりは早いだろう。

「さーて。そろそろ出発しますか。」

馬の背で揺られながら、考えを巡らせる。
僕が今から向かうリオールでは、東部の担当であるのに何故か中央軍がしゃしゃり出て、しゃしゃりでたのに暴動が起きた。
暴動が起きた理由に関したは記憶してない。
中央軍がマヌケであったか、はたまた仕組まれた暴動であったか、だ。
なにぶん手持ちの情報が少なすぎる。
まず、リオールに行ってまた考えよう。




/ 306ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp