第24章 『再・理解』 3
「おい。見ろよ。馬に乗って旅をしている奴が居るぜ。」
「へぇ。そりゃぁ珍しいな。」
遠くに見えても足の音が聞こえそうな馬が人を乗せて畑々の間を駆けていく。
馬上の人はわき目もふらずに。
「街が見えてきた。ここはニューオプティンか。」
どこでもいい。
宿に入って飯を食って身なりを整えたい。
馬もそろそろ交換しないといけないだろう。
街に入ってボロ過ぎず新しすぎない宿に部屋を取り、まずは服の埃を払ってまだましな服を引っ張りだす。
「よし。飯。」
うまくもまずくもない飯をかきこみ、表に括りつけておいた馬を交換しに行く。
「兄ちゃん旅人か?珍しいな。」
「まぁね。楽しいんだよ。」
「はっはっは!それで、どんな馬をご所望だい?」
「足腰の強くて大人しい奴がいい。足は早いに越した事は無いな。」
あいよ!と店のおじさんは厩舎へ消えてゆく。
しばらくして戻ってくると、一緒に来るように呼ばれた。
濃い赤茶のすらりとした馬だ。
ふむ、暗い色は良い、闇に紛れるし、昼間は森に馴染む。
「こいつはメス。従順だし身体も強い。足は手持ちの中で2番目に早い奴だ。」
「こりゃまた高そうだね。」
「やめとくかい?」
「まさか。もらうよ。」
今まで乗ってきた馬をここに置いて行くという条件で、半額にしてもらった。
ここからは雪もないし急な勾配の道もあまりない。
さて、ここからどうしようか。
馬を連れて食料や必要なものを確保して、また街を出た。
人の目に付かない森の中を目指して歩く。
「中央に行くのが、一番情報が手に入るんだろうな。」
次に奴らの情報が手に入る場所。
「うーん。」