第23章 『再・理解』 2
リリリリン、リリリリン。
と部屋の電話が煩く鳴り響く。
面倒に手を伸ばして受話器を取れば衝撃的な事実だけが知らされた。
淡々とした電話の相手は私の疑問に答えてくれる事は無かった。
『そうは言われましても、我々には詳細は判り兼ねます。』
「…わかった。連絡ありがとう。」
プツリと切れた電話に思考が歪み始める。
しかし、一体どういう事だろうか。
誰かが配慮したのだろうか、家族には一切伝えないようにと。
ファルマンからの伝言であったからに、ファルマンが気をきかせたのかもしれない。
「よりによってこんな時に。」
葬儀は行わないと言っていた。
ブリッグズで丁重に事を済ませる。と。
「大佐。どちらへ?」
「すまん。ちょっと外の空気を……。」
部下の文句も遠くにしか聞こえてこない。
親友の凶報を聞いた時以来だ。
いや、それ以上に落胆というか諦めというか…。
「はぁ。」
呆れた。