第22章 『再・理解』
少将が剣を引き、部下たちに武装解除させた。
「バッカニア!マイルズに連絡を入れてやれ。」
助かった。
命拾いした。
「よかった。大丈夫かビーネ君。」
「うん。大丈夫だよ。助かったファルマンさん。」
「仲間からときどき、君が探していたと話を聞いていたんだ。ここは広いからね。なかなか会えなかった。」
「ほんと。ここ広すぎだよ。」
はははは。
と安堵のためか笑いが漏れる。
「ヒューズ!手伝え!」
「え?あ、はい。はい?」
少将に呼び出され、手伝わされたのは仲間の衛兵たちに睡眠薬を飲ませるお仕事だった。
たぶん、眠りこけた二人の衛兵はそのまま極寒の雪山にポイされるのだろう。
……弱肉強食コワい。
それから、すぐに少将と部屋に二人きりにされた。
「堅くなるな。」
「すみません…」
「お前はどうしたい。元監査の人間だというのなら、情報は手に余るほど持っているのだろう?」
そんな事はない。
このホムンクルスの事に関して言えば早々進んだ所に僕はいるわけじゃない。
こればかりはエドワードと変わりない。
「エルリック兄弟から大方のあらましは聞いた。奴らがやろうとしている事も大体は見当がついた。お前も会ったのなら話は聞いただろう。」
「はい。分析はまだですが。」