第17章 『再構築』 4
「マリア・ロスと一緒に脱獄したシンの人間…君の事だ。」
いつもの優しそうな視線はどこへやら、睨みつけるような鋭い視線がリン達へと向けられている。
隣に座るランファンが腰を浮かすほどに厳しい。
「何のために、アメストリスに来たのか聞いてもいい?」
そっか。ビーネは知らないんだったな。
「この人たち、不老不死の方法を探しに来たんだ。リンはシンの皇子様で、お父さんが病気だから、それを助けられるような物を探しに来たんだ。」
ビーネの疑問に答えたのはアルフォンスだった。
「そうそウ!」
シンの皇子?と首を捻ったビーネ。何か聞き覚えがあったのだろうか。
「あ!君あの時の!」
イスから立ち上がってリンの事を指さすビーネ。
すると糸目のリンも突然目を見開いて、指をさす。
「お前!旅の錬丹術師カ!」
「随分生意気だったけど、変わらないね。」
「若頭クンは随分変わったナ。俺とした事が、全然分からなかっタ。」
俺とアル、ランファンまでも二人の話についていけないでいる。
「―――っと、話がそれタ。こっちも人造人間の秘密が欲しイ。俺達はある程度まで近くにいれば、奴らの気配を察知できル。君たちが奴らをおびき出ス。俺達は奴らの気配を負って先回りしてふん捕まえル!」
どう?と俺の方に顔を向けて来るリン。
驚いてポカンとしたままの俺達の頭にはなかなか入ってこなかった。
「どうだイ?一匹捕まえさせて見ないカ?」
「共同戦線か……いいだろう!」
それニ。と言葉を続けるリン。
「一飯の恩があるしネ。」
「一飯?」