第17章 『再構築』 4
「なんにせよ、スカーとはもう一度、対峙しなきゃならねぇな。」
「ウィンリィの両親の事聞くの?」
「それもあるけど、もうひとつ。」
前に進むんだ。
「人造人間をおびき出す。奴らは俺のことを『貴重な人柱』『生かされている』と言っていた。つまり俺に死なれちゃ困るって事だ。俺がスカーに襲われて危機に陥ったら……」
この身を餌にして、人造人間をおびき出す。
一か八かのギャンブルだ。
「奴らは出てくる?でも、確率は低いよ?」
「何もやらないよりマシだ!」
そこでようやく、この部屋にもうひとり人がいることを思い出した。
「で、ビーネはどう思う?」
アルと俺の視線をもらってようやく視線をあげた。
「いいと思うけど、君達スカーに狙われてどれくらいの時間生きてられる?エドだけじゃなくて、アルも前回の交戦で手も足も出なかったんでしょ?人造人間云々の前に死ぬんじゃ?」
ご、ごもっともです…。
でっ、でも!
「た、たぶん俺達、前より強くなっ……」
そこまで言って急にビーネの視線が刺さった。
アルと一緒に首をすぼめる。
「それに、人造人間が出てきたところで、エドワードは第五研究所で酷く負けたね。」
「は、はい…。」
「アルフォンスは、油断もあったかもしれないけど弱点もばれてるし、結局動けなくなった。」
「う、うん…。」
「それに、どうやって捕まえるの?」
の。のぅ!
頭脳明晰、成績優秀、容姿端麗…は、関係ないけど、隙の無い分析に、俺のたてた作戦がいかに穴だらけだったかを思い知らされる。
と、その時部屋の窓が突然開いた。
「はーイ。話は聞きましタ!」
「り、リン!ランファン!お、お前らいつから!?」
窓の外には、ずっと姿を見ていなかったリンとお付のランファンの姿。
二人は部屋に入ってきて、味方面して輪に入ってきた。
「その作戦協力しようじゃないカ。」
「…何企んでやがる。」
何となく、こいつらが何かを企んでることぐらい分かる。
不老不死の方法を探しているって言っていたから。
ビーネはこの場には関与するつもりはないのか、どこ吹く風でイスに座っている。
「やだナー、友達だロ?協力すんのは当たり前。」
「リン!だったね。」
ビーネが突然リンの言葉を遮った。