第16章 『再構築』 3
一息つく間もなくロイのいる病院へ到着。
病室の場所を聞いていると、慌てた様子のブレダさんに声を掛けられた。
「よ!ビーネ。戻ったか。」
「ブレダさん。」
「ちょうど良かった、副司令さんよ。ちっと来てくれないか?」
ブレダさんに捕まり、急ぎ足で屋上へと向かわされた。
「大佐、戻りました。あと、拾いもんです。」
ぽい。とロイの前に押し出されたのはもちろん僕。
「や、久しぶり。」
「もどったか。無事で何より。美人は居たか?」
「え?うん。いたよ。」
そんなことよりも、例の計画がどうなったか……
「って、どうして怪我してるんです?」
「いや、ぐさっと。」
「……随分ざっくりですね。」
ブレダさんが何か報告があるようだったので、大人しくロイが座るベンチに腰掛けた。
ブレダさんはドクター・マルコーの所を訪問していたらしい。
しかし、当の本人はおらず、連れ去られたと思われるとのことだった。
ブレダさんとそっくりそのまま同じ姿をした誰かによって。
「――…一足遅れか。人造人間の中に変身できる奴がいるという、そいつの仕業かもしれんな。」
「変身?それはまるきり姿を変えるのか?」
「あぁ。きっと、あの時彼女になり澄ましていたのも奴の仕業だろう。」
ロイは中将と父さんをあんな目にあわせた奴を追い詰めていた!!
奴らの中の誰かだろうと見当はつけていたものの、個人までは特定できていなかった。