第15章 『再構築』 2
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あいつ。良く笑う様になったな。
「で。見せたいものってこれ?」
「うん。これ、第五研究所で見たものに似てるんだ。」
「……いやね。僕、行ってないから。それに、君たちが怪我して、やつらを見たとしか聞いてないから。」
「二頭の竜に、太陽が五つ……。」
「ねぇ。エドワード、聞いてる?」
俺は奴を引きずって、ここに来る途中の神殿で見た壁画を見に来た。
あの時第五研究所で見た錬成陣に見えるが、上部分が欠けていて少しわかりにくい。
「あー。また厄介事だ。めんどくせー。エドワードの所為だからな。」
ぼやくあいつの声がようやく耳に入って来る。
は?と言い返そうをした時には既にあいつに突き飛ばされていた。
「そうかー、あなたに彼を殴らせればよかったんだー、くそー。」
ビーネは小さな短剣で顔を布で覆った男が振る棒を抑えていた。
「こんぐらい避けられるってのっ!」
「えー、ほんとー?」
間延びした奴の言葉の端々になんとなく緊張を感じる。
あからさまに身構えることはしなかったが、少しばかり周りに気を配った。
もう一人、後ろから襲いかかって来る人の気配を感じ、持ち前の機動力で相手の後ろを取った。
「本当だったね。エド。」
「だから言っただろ!ってか、何なんだよこいつら!」
「知らない。」
知らないって!
「大人しく掴まってくれないか。」
渋みのある低い声。
脅している風ではないが、威圧してくる。
「あいにく、身代金を要求しようにも両親居ないんだよね、俺。」
「金ではない。イシュヴァール閉鎖地区の解放。及びイシュヴァラの聖地を踏みにじる国軍の撤退を要求するために人質になってくれんか。」
イシュヴァール人!