第14章 『再構築』
「エド。大丈夫か?」
「何がだよ。」
「馬。平気か?」
「ケツが痛い!」
一番乗るのに苦労していたのはエドワード。
ガタイの良い馬ばかりを連れて来てくれたブレダさん。
エドワードとブレダさんが馬の背に乗るのに一番苦労していた。
僕とエドが今日の見張り。
湯の入ったカップを手に、空を見上げる。
「まさか、また馬に乗って荒野を行くなんて思ってもみなかったなぁ。」
「ふん。」
やはり機嫌の悪いエドワード。
視線は物珍しいのか、ずっと馬の方に向いている。
僕が頼んだ暴れ馬。他の5頭と馴染むことなく、一頭離れたところに繋がれている。
「なんで、気性の荒いなんて頼んだんだ?」
「他の5頭の団結力が増すからさ。仲間意識が強まれば、万が一はぐれたとしても、必死で群れに戻ろうとする。」
「じゃぁ、その気性の荒い奴はどうなるんだよ。」
「そこは乗り手の腕次第。僕が乗れば、4人からはぐれても、飢え死にする事は無いしね。」
「……それで、あんたがついて来たのか。」
要するに。水要員。
旅慣れていることと、僕の錬金術を買われて、この作戦のリーダーに任命。
まぁ、他にも色々考えてるところはあるんだろうケド。
「ロイは一体何を考えてるのかなぁ。」
「大佐?」
「うん。だって、部署も違えば立場も違うのに、よく僕を引っ張りだしてきて、作戦隊長だー!なんて、強引だと思わないか?」
「……お前も苦労してるんだな。」
「替ってくれない?」
「やだね。」
次の日も日が昇る少し前から砂漠を歩き始める。