第14章 『再構築』
「それで、何処へ向かえば?」
僕が話しを促すとブレダさんが、東だ。と悪そうな顔をしてそう言った。
「移動手段は馬。これガ一番。荷物は少ないから、5頭準備できればいい。」
「日数は?」
「夕刻に出発だかラ、4日以上みたほうがいいネ。」
ここからは僕の出番だ。
「多めに見て1週間。馬は荷馬を入れて6頭。水の補給は考えなくていい。旅の準備については僕とエドワードがする。ハンさんは詳細ルートを確認して僕に教えてください。少佐はその間のハンさんの護衛。ブレダさんは馬を6頭、気性が荒いのを1頭、他の5頭はおとなしくて体の大きいのを。では1時間で準備して、街のはずれで集合。以上。」
早速ハンさんと少佐が動きだす。
ポカンとしたままのブレダさんとエドワード。
………僕、一応作戦リーダーなんですけど。
「ブレダさん?」
「あ、いやぁ。ビーネ君随分しっかりしたなと思ってよ。」
「…これでもいいとこ勤めてるんです。ほら、ロイに継げ口しちゃいますよ。」
「ったく、生意気になったな。」
ブレダさんはそう言いながらも、さっさと店を飛び出して行った。
僕はまたもエドワードの腕を引き、街へ繰り出す。
「おい、ビーネ。一体何なんだよ。」
「唯一言えるのは、この作戦は誰にも感づかれちゃいけないってことだ。」
「……で、俺達は食料を確保すればいいんだな。」
「そう。あと人数分の毛布ね。」
エドの故郷と言う事もあってか、すんなりと物資は集まった。
荷台に乗せた荷物を持って町はずれに集合すれば、僕らが最後だった。
各々の馬に少々の荷物。
身体の大きな馬を荷馬にし、毛布やらを背にくくる。
歩きながら、馬の捌き方を指示すれば、彼らは難なくやりこなして見せた。
「ハンさん。今日はどの程度まで進みますか?」
「ウーン。天気が良さそうだから、月が昇りきるまで進もうかナ。」
先頭にハンさん。
次にブレダさんとエド。
しんがりには少佐。
僕は一人で見周り。彼ら4人の周りを、じぐざぐと進む。
「今日はここで休もウ!」
ちょうどよく風よけになる岩場。
申し訳程度に木と草が生えている。
馬と人間の分の水を錬成し、軽く食料をつまんで仮眠。