第11章 『分解』 4
「そういうおまえさんは、エドワード・エルリックってやつか?すまねぇな。こっちの鎧クンだけで事が済めば、楽だったんだけどよ。」
「兄さん、ごめん…でも、この人…」
鎧だから関係ないとは思うが、一応アルフォンスの元気そうな様子を見て一安心。
「あぁ、人造人間だって?驚いたな、マジかよ。」
「俺は嘘をつかねぇの信条としてるからよ。なんなら、証拠を…」
グリードとやらがそう言うと、後ろに控えていた大柄な男が斧を構えた。
「いや、やっぱやめとこう。汚くなるし。」
汚くって……何するつもりだったんだ。
「兄さん、僕の魂の錬成方法と人造人間の情報と…」
「等価交換?」
「そう!お前らも、人造人間に興味があるって言うじゃねぇか。良い取引だろう?」
人造人間か……本当に情報をくれるのなら、でっち上げで良いから話しをすればいいのかな?
でも、エドワード君にはそんな気はなさそうだけどねぇ。
「ナマ言ってんじゃねぇーーーっ!!」
エドワード君の声が、部屋に響き渡る。
「バカ野郎が、大体なんだ、あァ!?」
……こえーーーーー。
「にっ…兄さん?」
「この状況わかってんのか、コラ!てめぇら、ウロボロス組が何考えてるか知ったこっちゃねぇけどな!」
敵であるグリードもアルフォンスと同じく、唖然としている。
ははは。
「人の弟さらっといて!師匠に怪我させといて!どのツラ下げて等価交換だぁあ?!現時点を持って、てめぇらは俺の中で大悪党に決定!魂の情報?んなもん、ミジンコ一匹分もくれてやる言われは無ぇ!!」
………。
「悪党はボコる!どつく!吐かせる!もぎ取る!すなわち、俺の総取り!悪党とは、等価交換の必要なしっ!!!」
ちょっとかっこいいなと思ってしまうほど勢いのある演説でした。
ぱちぱちと拍手を送っているのは僕とグリード。
「……こいつ、バカだわ。」
と、敵のお兄さんの発言。
なんかすみません。