第10章 再会が必ずしも良い事とは限らない
「さすが真選組随一の剣の腕と言われるだけはありますね…この私について来られたのは貴方が初めてですよ」
「俺のこと…どこまで知ってんのか知らねーが、あんまりベラベラ喋って舌噛んでも知らねーぜィ」
「私は負け戦などはする気はありませんよ…私が剣を抜くのは…」
次の瞬間背後から男達が現れ私の腕を掴む
『ッ』
「自分が勝つとわかっているからです」
「大石ッ!!」
隙を狙い目の前の男も隊長を斬りつける
「目の前の敵に集中するのは結構ですが、今貴方の敵は私1人ではないことをお忘れなく」
「チッ…大石、刀を抜け!!」
『!ッ』
「何してやがんでィ!早く…抜け!!」
「彼女は刀を抜かないんじゃない…抜けないんですよ」
「!?」
「彼女に…私達を殺すことはできません」
バシッ
「うぐッ」
『沖田隊長ッ!!』
その場で崩れる沖田隊長に駆け寄ろうと掴まれた腕を必死に振り払うが、複数人に抑えられ身動きが取れない
「…いくら貴方でもこの数には勝てませんよ」
「ッ…くそッ」
『…』
私の…せいだ。
私のせいで…沖田隊長が…
「さぁ、私達とご同行願います。結衣様…」
どうして私はいつも…
- 行ってくるな結衣 -
いつも…
「行くな…大石ッ…」
何も出来ない…ッ。
『わかった…言う通りにする…』
「大石…」
沖田隊長は私を見つめそのまま意識を失った
「お分かり頂けて光栄です…」
『その代わりッ…沖田隊長の手当てをさせて…』
「ええ、勿論構いませんよ。真選組屯所まで私達が彼をお運びしましょう」
そう言って彼らは沖田隊長を背負い、私も彼らに連れられ屯所への道を歩いた