第23章 災難は1度や2度じゃ終わらない【真選組女中編②】
「しかし、まさか銀時とみっちー殿が知り合いであったとは驚いたものだ」
白湯を飲みながら寛ぐ桂に銀さんは顔に青筋を浮かべながら言った
「つーかなに人んちに当たり前のように居座ってんの、いい加減捕まるか攘夷活動しろや」
「何を言う、現に今こうして活動の様子を見せているではないか」
「いや何の活動!?攘夷の攘の字もねェだろうが!」
『…』
銀さんと桂のやり取りに溜息をつきながら目の前の煎餅を食べる
もうかれこれここに来て2時間は経つが桂の情報を掴む様子も私が解放される様子も微塵もない
今頃真選組の皆は将軍護衛の任務に就いてるっていうのに…私は敵を前にして一体何をしてるんだろう。
もういっそ本当の事言って逃げる方が早いような気もしてきた。
『あのー…』
「こんにちは、銀さんいます?」
私が言いかけたその時、聞き覚えのある声の人物が部屋に入って来た
あ…この人って
「なんだ…お妙か」
そうだ!局長の想い人のお妙さんだ!
「新八ならいねェぞ」
「ええ知ってるわ。新ちゃんにはお店の手伝いをお願いしたから」
「店の手伝い?」
「それが実は……って、あら桂さんも来てたの?」
「どうも」
お妙さんの言葉に軽く頭を下げる桂
「で…店がどうかしたのかよ」
「ええ、実は今日の夜ウチのお店にお偉い様が来るらしいのよ」
お偉い様…?
「へェ良かったじゃねーか。店の売り上げ伸びんじゃね?」
「まぁ利益は大きいだろうけど、少し困ったことがあって…」
「困ったこと?」
「一昨日から店の女の子達が次々と風邪を引いてしまって…お偉い様の接待をしようにも人数が足りない状況なの」
そう言って溜息をつくお妙さんに私はすぐ様俯いた
「ねぇ銀さん、どこかに今日1日助っ人頼める子っていないかしら」
"出来たら可愛らしい子が!"と言って笑うお妙さんに銀さんは面倒くさそうに頭を掻いた
「んなもんいたらまず俺がお目にかかりたいっての。大体そのお偉い様って奴もどうせ名前だけで大したことねェ奴だろ?テキトーにお前が相手してやればいい…ぐはッ」
最後まで言い終える前にお妙さんの鉄拳を食らう銀さん
やばい…流れ的に物凄く嫌な予感がする…。
これは出来るだけ空気になっておいた方が…
「お妙殿、それならみっちー殿に頼んでみてはどうだ」
ぎゃあああ!嫌な予感的中!!
