第22章 立場が変わって初めてわかることもある【真選組女中編①】
や、やってしまった!
今更だけどさっきのは少し…いやかなり思いっ切り殴り過ぎたかもしれない。
『あとで殺されるかも…どうしよう』
いや、でも別に私は悪くないし…
大丈夫だよね!?…たぶん。
気を取り直し、最後は局長の部屋に向かった
まぁ、近藤さんの部屋は入隊してから何回も出入りしたことあるし、私にとってはお父さんみたいな存在だからさっきの2人よりは気楽かもしれない。
そんなことを考えながら局長の部屋まで来ると、そこにも沖田隊長と同じように部屋の前に衣服が置かれていた
近藤さん…もしかして私が部屋には入りにくいだろうと思ってわざわざ出しておいてくれたのかな?
毎度ながら優しい近藤さんの気遣いに感動していると、ふと目の前に置かれた衣服に目を落とす
『あれ、でもこれよく見たら隊服じゃない…。一体何…』
綺麗に畳まれた薄い布を手に取り広げると、それは忽ちトランクス型に変形した
『…これって…パンツだよね。そっか、どうりで生地が薄いと思った…って、
なんつーもん触らせてんだぁあああ!!!!』
叫んだと同時にトランクスを丸め局長の部屋に投げ込んだ
「ぎゃー!なんか臭いパンツが顔面に飛んできたぞ!」
いやそれ局長のですけど!?
「ちょっと新人!なんて声で叫んでんの!みんな起きちゃったじゃない!!」
『あっ、す、すみません!!!!』
真選組女中になって2週間、この日私は女中の仕事は想像以上に大変だということを痛感した。
でも取り敢えず、もうあの御三方の洗濯物回収には二度と行きたくない。