第20章 甘い物の食べ過ぎには気をつけろ

その後沖田隊長と2人して屯所への道を歩くが、さっきから彼はずっと黙ったまま先々と私の前を歩いて行く

…また何か怒らせるようなことをしてしまったのだろうか。

まぁ、思い当たる節は無くもないけど…。

『あの…沖田隊長…』

｢…｣

『沖田隊長！』

幾度か呼び掛けるが彼からの応答はなく、その様子に痺れを切らした私は彼の目の前に回り込んだ

『沖田隊長ーっ！！』

｢何でィ、うるせェな｣

『何じゃないですよッ！さっきから呼んでるのに何シカト決め込んでんですか！』

｢…｣

『…確かにお見合いを中断させたことは悪かったと思いますけど…そこまで怒られる理由もありません！』

勢いで叫ぶ私に沖田隊長は呆れたように溜息をついた

｢別に誰も何も言ってねェだろうが。それにお前、俺らを見たのは偶然だって言ってただろィ｣

『…も、勿論！…偶然ですよ』

｢……
邪魔する気もなかったのかよ｣

俯き、ボソッと呟く沖田隊長の声は私の耳には届かなかった

『沖田隊長…？』

｢んなことよりテメェこそ旦那とのデート、随分と楽しんで来たみてェじゃねーかィ｣

『あ…はい、パフェ…凄く美味しかったですよ』

とってもとっても楽しかった…はずなのに、

『でも…やっぱりお見合いのことも気になってはいました』

私の言葉に沖田隊長は目を見開いて私を見つめた

『沖田隊長がもし、お見合い相手の人と結婚することになってしまったら…とか、結婚して真選組を辞めてしまうんじゃないかとか…そんなことばかり考えてました』

だけどそんな中、私が何より気にしてしまうのは

- 行ってくるなっ、結衣 -

あの時のように彼もまた、いつか私の目の前から消えてしまうんじゃないだろかという…とてつもない不安だった。

『沖田隊長、私はあの約束…忘れてませんから』

｢…｣

- あいつが大切にしてたもん…代わりに今度は俺が護ってやらァ -

『私はこれからも剣を握ります。貴方の隣で』

本音を伝えるならきっと今しかないと思った

貴方が私を護ると言うのなら、私はその約束の為に貴方を護る

『例え…最後の一人になったとしても私は最後まで貴方を護り通します！』

そう言って沖田隊長の目を真っ直ぐに見つめると突然腕を引かれ、気づけばそのまま彼の腕の中にいた