第20章 甘い物の食べ過ぎには気をつけろ
銀さんに言われ溜息をつき、そっとテーブルに スプーンを置いた
せっかくの可愛い着物が私の低い女子力のせいで可哀想な着物になってしまっている。
そんな自分自身に呆れ落ち込んでいると突然 銀さんが俯き肩を震わせる
『…銀さん?』
「ククク…も、…相変わらず面白ェわお前ックク」
『へ?』
「せっかくのデートだってのにさぁ…全然んな感じしねェんだもんよォ…ククッ」
いやぁ~さすがだわ!と言って私の肩を叩く銀さんを眉間に皺を寄せ見つめた
『それ…褒めてるんですか、それとも馬鹿にしてるんですか?』
「んー…両方?」
未だ笑う銀さんに何だかムッとした私は彼のパフェの上に乗ったイチゴを瞬間的に奪い、口に入れた
「あっ、おま!…何俺のイチゴ食ってやがんだ!」
『あ、ごめん。いらないのかと思って』
「嘘つくんじゃねェよ、お前これ絶対わざとだろ!!」
『わざとじゃないですって、謝ってるじゃないですか~(笑)』
『いや(笑)ってなんだよ!全然反省してねェじゃねーか』
食べ放題なんだから…また注文すればいいだけなのにな…。
騒ぐ銀さんに私は自然と笑みが零れた
銀さんといると…やっぱり楽しい。
そう思うのは、やはり私が彼に憧れているからなのか、それとも…
私が、どこか無意識に彼を誰かと重ねてしまっているからなのだろうか。
「結衣のチョコバナナげっと~」
『あ"!』