第20章 甘い物の食べ過ぎには気をつけろ
「オイやべェよ。こんなフルーツ乗りまくったパフェ食べたことねェよ!!どうするよこれ、どっから食べようかな…フルーツからいっとく?」
『いや、どこから食べても同じだと思うんだけど…』
あれから私と銀さんは無事にお目当ての甘味屋に来ることができ、目の前の種類豊富なパフェに銀さんはまるで子供のようにテンションが上がっていた
「やっぱパフェん中で一番はイチゴだな」
『あ、私もイチゴ派!』
「イチゴはな…香りも良いだろ、そのまんま食べてもうめェし、ソースにしても最高。まさにフルーツの神様だよ」
イチゴパフェを食べながら苺について語る銀さんを見つめる
『銀さんって本当に甘いもの好きだよね』
「まぁな…。俺ァもう血糖値なんて気にせず、好きなもん食って太く短く生きるって決めたから」
『太く短くかぁ…フフ、そうなんだ』
ニコニコと笑う私に銀さんは食べる手を止め、眉間に皺を寄せた
「…なんだよ」
『いや…私が甘い物好きになったのって銀さんの影響なんだなぁって思って』
「そういや確かに、お前も相当甘いモン好きだよな」
『うん、何かいつの間にか好きになってたんだよね。それまでは別にこれといって好きな食べ物とかなかったのに』
「あんま食べ過ぎんなよ…太るぜ?」
『糖尿病寸前の人に言われたくないですー』
そう言って目の前のパフェに手をつけようとした次の瞬間、私は自分の今の格好を見てその場に固まった
…ま、まずい!
私は一旦深呼吸をして再びスプーンを握り、目の前のパフェに手を伸ばした
「あの…お嬢さんお嬢さん?」
『な、何ですか…』
「…さっきから何してんの?」
言いながら若干引き気味に私を見つめる銀さん
『何って…パフェ食べてるんですけど』
「いやそうじゃなくて…何でそんなテーブルと椅子離して食ってんの」
そう、私は自分の座る椅子を敢えてテーブルから離し、テーブルの上のパフェに手を伸ばしていたのだ
『こうしないと…着物が汚れちゃったら大変だからッ』
「いやお前の今の姿勢の方がよっぽど大変だわ!どんなスプーンの持ち方だよ、原始人でももっとマシな持ち方するわ!」
『だって一応この着物もそこそこの値段だったし…お上品にした方がいいかなって思って…』
「お上品な奴は着物着てガニ股で歩いたり、んな姿勢でパフェ食べたりなんてしません!!」