第20章 甘い物の食べ過ぎには気をつけろ
「いらっしゃい、万事屋の旦那」
銀さんに連れて来られたのはかぶき町の一角にある着物屋だった
「親父ィ、こいつに似合いそうな着物見てやってくんねーか?」
「かしこまりやした。お嬢さん、中へどうぞ」
『へ、あ…あの…銀さん!?』
店主に手招きされ、あたふたする私に銀さんは言った
「何でも好きなモン着て、欲しいと思うの選んで来いよ」
『で、でも…』
目の前に並ぶ可愛いくて綺麗な着物の数々に戸惑いを隠せない私だったけど、そんな私の背中を押した銀さんの表情が今まで見たことないくらい優しくて…
『…ありがとう』
嬉しさのあまり、思わず少し涙が出そうになった。
数十分後
『…ど、どうですか…?』
選んだ着物を着て銀さんに見せると、彼は一瞬目を見開いてそっと微笑んだ
「それ…気に入ったか?」
『うん…』
「…じゃあ、似合ってるよ」
『ッ!』
銀さんの言葉に恥ずかしくなってその場に俯く
「んじゃ親父ィ、この着物買うわ」
「ヘィまいど!」
『あ、あの銀さんっ…でも私本当に大丈夫だよ!』
「何言ってんだ、せっかく選んだんだから買わねェと意味ねェだろうが」
『で…でもそんな着物なんて高いもの…銀さんに払ってもらうなんて悪いよ』
私の言葉に銀さんは目を丸くして私を見つめた
「いや…買うのはお前だけど」
…。
数秒の間の後、私は懐から自分の財布を取り出した
『……じゃあ、これ買います』
「ヘィまいど!」
結局着物は、自分のお金で買いました。