第13章 嫌な予感ほどよくあたる
「お前の上司はどうした…あの日ウチに来た平河という男は」
『…』
私が何も言えず俯いていると父上は呆れたように口を開いた
「何が"俺が護ります"か。偉そうに言っていたわりには簡単におっ死んだではないか」
『…』
「あの時、お前も十分に己の無力さを実感したはずだ。お前がここにこだわっていたのもアイツに救われ、アイツに恩を抱いていたからであろう?だが奴がいなくなった今、お前をここに縛り付ける理由もない。なら、私たちと帰るべきではないのか?」
私は俯いたまま拳をぎゅっと握り締めた
平河隊長…私はあなたとの約束を守る為にこの場所にいることを望んだはずなのに…誰かを護るどころか、逆に護られてばかりで…またあの日と同じことを繰り返そうとしています。
もう、私のせいで誰かが傷付くところなんて見たくないのに。
あぁ、どうしてこんな時に思い出すのだろう。
2年前のあの日のことを…。