第11章 人の話は最後まで聞くべし【沖田視点】
あいつのあんな面見たせいで、何となく今日は土方の部屋に悪戯する気にならなかった俺は野郎の部屋を通り過ぎそのまま食堂へ向かった
そんな俺の考えを察して安心する土方を見るとやっぱりムカついた為、奴の部屋にバズーカを放った
「何でだああああ!!?」
食堂に入ると席はガラッとしていた
俺は無意識に大石を探していて、端の方の席に座るアイツを見つけると朝食を持ちその席へ向かった
「え、違うんッスか?」
『確かに沖田隊長は仲間思いで見た目もカッコよくて、強いし…尊敬もしてますけど…腹黒で意地悪で私のことは雌ブタ扱いだし、何かにつけてすぐパシらされるし…彼も私もお互い仲間意識はあってもそれ以上は…ないですよ』
「…でも沖田隊長はそうは思ってないかもしれないッスよ」
『え?』
「だって隊長がそんなに大石さんに構うのは…ガハッ」
最後まで言う前に俺は神山の頭にお盆を投げつけた
『か、神山さんんんん!?大丈夫ですか!しっかりして下さい!』
「あー…悪ィ悪ィ。寝起きで腕が攣ってたもんでねィ、手が滑っちまったー」
『お、沖田隊長…!』
大石は俺と目が合うとサッと視線を逸らした
その変によそよそしい態度に少し違和感を覚えたがあまり気にしないようにし、彼女の隣に座り持ってきた朝食を食べた
だがチラチラと横から視線を感じ少しイラッとした俺は彼女に振り向いた
「オイ…さっきから何横目でジロジロ見てやがんでェ」
『え、べ、別にジロジロなんか…』
「言っとくがこの飯は俺のでィ、んなに見つめてもやらねェぜ?」
『全然違います!!』
こいつは食い意地だけは張ってるからな…。