第10章 壊れた壊した壊された ー神崎颯馬ー
台本は、王妃が鏡に問いかける所から始まっていた。
「鏡よ鏡、世界で一番amazingな人は誰ですか…?」
「それは、王妃様です」
「ふふふ、やはりそうですか…」
「と、思いきや白雪姫です」
「な、何です………?もう一度言ってみてください!」
「白雪姫です」
「おのれ……!狩人!こっちへ来てください!」
「呼んだか、王妃」
「この箱に白雪姫の心臓を入れてきなさい。」
「弱いものいじめはダメだぜ、王妃」
「白雪姫は世界最強のボクサーです、構いません。」
「嘘つけ。まぁ言ってくるぜ」
場面転換、王子と姫が出会う
「おぉ!そなたが白雪姫殿であられるか!」
「あなたは、誰ですか」
「隣の国の王子である!おっと、そろそろ戻らなければ両親に怒られてしまう時間…!失礼いたす!」
「はいさようなら」
狩人、やって来る
「よう姫さん。ここから逃げな。」
「あら狩人さん」
「王妃があんたの心臓狙ってるぜ」
「まぁお母様が」
「今から逃げな」
「一人は嫌だわ」
「お守りをやる。手作りだ」
「ありがとう」
姫、森へ逃げる。小屋へ迷い込む。
「まぁ小さなお家、ベッドも小さいわ」
「うっちゅーーっ!ただいまーっ!」
「仕事疲れたっすーっ!」
「本当、最近大変だよね~」
「仕事をすることは楽しいけどな」
「うん、病院より楽しいよ」
「まだまだ!燃えるハートで明日も頑張るぞ!」
「オー!」
ハイホーハイホー歌う
「あら子人さん達」
「誰だ?」
「姫だ」
「白雪姫だ」
「……………日々樹サン、一旦止めません?」
俺は台本から顔を上げた。日々樹サンは頷いた。
「……姉ちゃん棒読み」
「ご、めん…」
「神崎サンそんな喋り方の王子やっすよ、俺」
「す、すまない…」
「鬼龍サン、言葉遣い」
「おう…」
「子人D及び、E、F、G。いくらアドリブありとはいえあれはナシっしょ。」
「「「「……はい」」」」
「副会長、日々樹サン完璧っす」
「amazing!」
「当然だ」
俺はハァ、とため息をついた
ゲームしたい