第10章 壊れた壊した壊された ー神崎颯馬ー
「では、役を発表しますね。今から配る台本を読んでください。」
登場人物の一覧には
白雪姫 高橋あんず(姉ちゃん)
王子 神崎颯馬
王妃・魔女 日々樹渉
鏡の声 蓮見敬人
狩人 鬼龍紅郎
子人A 高橋ひろき(俺)
子人B 氷鷹北斗
子人C 真白友也
子人D 南雲鉄虎
子人E 月永レオ
子人F 守沢千秋
子人G 天祥院英智
「ちょっと待て!何だこのメンバーは!まるで歌劇だっ!!」
「悪ぃな…誘ってみると言っても鉄達くらいしか候補が出て来なくてよ。一度舞台に立ってるし、勝手も分かってると思ったんだ。」
「私は執事さんを誘ったんですよ?でも英智がまた出たいと言ったので。執事さんもあの性格でしょう、あっさり譲ってしまって…」
「つ、月永、さんは……えと、えぇと……」
姉ちゃんが必死に説明しようとするが、上手く言葉が出て来ないらしい。仕方なく俺が取って代わって説明する。
「何か月永サン、こないだの話し立ち聞きしちゃってたみたいで。」
「盗み聞きか、貴様!」
副会長がガミガミと説教するのを月永サンは口をとがらせて作曲の邪魔ーとか言って嫌がった。
姉ちゃんは俺にぺこりと頭を下げた。ありがとうと言いたいらしい。俺は答えるように微笑んだ。
「では、始めましょうか。取りあえず…読むだけやってみましょう。面白い内容にアレンジしてくれた方がいますからね。」
チラリ、と月永サンを見て
「アドリブ、入れてもらって構いませんよ!amazingな劇にしましょう!今回は幼稚園児やちびっ子達が対象者ですから。」
なるほど、それで白雪姫か。ちびっ子達と聞いて守沢サン(流星レッドとかたまにいうから流星サンって呼んだら笑われた)の気合いがすごく上がった。