第8章 両片想いが喧嘩した結末は ー朔間零ー
「痛た…………」
意識が戻ってもおでこはじんじんする。まだ開かない目をそのままに腫れてないかな、と確認するためにおでこに手を伸ばすと…
あれ、何だろう。誰かの手が私のおでこにある。
「目ぇ覚めたか」
「…………あと5分」
と寝返りを打つ。あれ、なんかゴツゴツしたベッドだなぁ。私の家はもっとフカフカなのに。まぁいいや。
「朝ご飯はトマトジュースとフルーツサンド希望……」
「………いや、まだ朝だけどよ…フルーツサンドはねぇぞ。トマトジュースはお前のでこに当たってへこんじまった。」
あれ、誰だ。さっきからこの人。それにこの手は誰のだ。
私は恐る恐る目を開けると………
「おい、俺が誰か分からねぇとかそういうオチはねぇよな?」
ぺちぺちと頰を叩いてくるその人は。赤い目をしたその人は。私に膝枕してくれているのは。私のおでこに手を置いているのは。
朔間零さんだった。
「…………う、うわぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!!!!!????????」
私の意識は覚醒した。そして一気に跳ね起きた。
「う、うわっ!え、あ、あ、うぅーっ!?え、か、えぇ!!??」
「お、おい…」
顔を赤くしてパニックになる私。そりゃそうだ。好きな人でなくても今のはこうなる。
「な、何!?え、何!?夢!?幻!?!?」
「落ち着け、おい…」
「落ち着けますかーーーーーっ!?」
私はフラフラと歩きながら扉を開けて一気に走った。
「あんずっ…!」
零さんの声も聞かずに
「クソがっ…………!」