第62章 オタクと忍者 仙石忍
次の日、生徒会室に用があったのでお邪魔したら忍くんがいた。
「あんず殿!!」
どうやらお手伝いをしていたらしい。側に真緒くんがいた。
「あの雑誌、最高でござる!!見事にはまってあのアニメを録画したりDVDをレンタルしたりしてるでござる!!」
「ほ……本当に……!?」
「いっぱいお話ししたいことがあるからして!仕事が終わるまで待っててほしいでござる!!」
まさかの布教成功に驚きが隠せない。忍くんの目はキラキラしてて、真緒くんの肩はプルプルしてる。笑ってるのバレてるからね。
「待つ!ていうか待つと言わずに働く!!真緒くん、仕事下さい!!」
「いやいや、お前用があってここに来たんだろ!?そっち優先しろよ!!」
「全てこなしてみせるから!!」
「どんだけ必死なんだお前!?」
真緒くんは執拗に食い下がる私に呆れながらも最後には一つ仕事をくれた。
「ったく、仲良くしろよ?」
困ったように笑いながらも、彼は私の背中を押してくれた。
「言葉なんか気にして躊躇っていたら、もったいないだろ。」
うん、そうだね。
私もそう思えるようになってきたよ。