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短編集…あんさんぶるスターズ!【あんスタ】

第55章 碧の空を見上げてみたり 乱凪沙


凪沙と久しぶりに会ったとき。

言葉がちゃんと話せていてホッとした。


友達もいるんだね。仲間と上手くやってるね。良い後輩たちだね。


ちょっとだけ変なところはあるけど、凪沙がニコニコしてるのは嬉しかった。

あぁ良かった、本当に大丈夫なんだね。



私がいなくても、大丈夫なんだね。



凪沙がちゃんと一人で生きていることで、私の存在意義はなくなったように思う。

なぜ父は何の取り柄もない私をかくまってそのまま逝ってしまったのか。


歌も躍りもわからない私は、凪沙よりかなり後に発見された。

父の家に一人で過ごした日々は今でもよく覚えている。


凪沙は。



凪沙は、どこ。






あぁ、父さん。



違うじゃない。


全然違うじゃない。



私じゃ、ない。

私じゃないよ。


凪沙を支えるのが私なの?どうして??



私を凪沙は必要としてない。







まるっきり、逆。













私に凪沙が必要だった。

凪沙が私を支えていた。


それに気づいたとき、ぐちゃぐちゃになった。髪をかきむしって、誰もいない部屋でわめいて叫んだ。



許さない。



誰も彼も許さない。




父さんが死んだことも、私から凪沙を奪ったヤツも、この家から出れもしない私も。


それなのに。



凪沙、あなたは……。








私に恋をしたんだね。
心なんてわかってないくせに。


矛盾してる。辻褄が合わない。



でもね、私も馬鹿なこと言って良いかな。
変なこと言っても許されるかな。



ねぇ、凪沙。



私はあなたを一生許せない。ずっと憎い。


それでも。





あなたに、必要とされたい。
私があなたを必要としたように。


 


凪沙、大好き。
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