第55章 碧の空を見上げてみたり 乱凪沙
SSが終わった。
思い出せば辛いこともあったけれど、戦い抜いてくれた
星々を讃えよう。
………………心の中で。
薄情?
いや、そんなことはない。
直接おめでとうと言うのは年明けになるだろうか。明るみになった父の話の後処理を、私はさっさと家に帰ってやらなければならないのだ。
だが父にとって、私は凪沙さんのような存在ではなかったけれど。
「全く…どこから入手したんだか。」
隅々と調べやがって。しかもスバルくんのお父さんのことまで。
さっきまでこちとら働いてたんだ。何で家で一人パソコンカタカタしなきゃいけないの。お陰で打ち上げの誘いも断ったっつの。
父の犯罪歴やら何やら、隠し通すにはそれなりの根拠を作り全てを発表せねばならない。匿名で週刊誌を発行している会社に送れば発表してくれるだろうし。
「もう…………疲れたよお父さん」
そう呟いても何ともならないので手だけを動かす。
ああもう、眠たい。大体は七種くんがやってくれたっぽいけど、ライブ途中の彼には全部何とかするのは難しかったようだ。
年明け。trickstarの新年会を学院でやるらしく、それに呼ばれたので制服に着替えて学院に向かう途中で………
「………こんにちは」
「…凪沙さん?」
「明けましておめでとうございます!」
「うん、おめでとうおめでとう」
そのままスルーしようとしたが駄目だった。七種くんがガシッと私の手をつかみズンズン歩きだした。しかも凪沙さんは後ろから背中を押してきたのだ。