• テキストサイズ

短編集…あんさんぶるスターズ!【あんスタ】

第50章 征服欲 鬼龍紅郎


「一対一だ、手は出すなよ。」


男が自分を取り囲む高校生達をたしなめる。

しかし、無論アタシは一対一でやるつもりなんてなかった。


「うん、あと五秒ってとこか?」

「は?何いってんだ?」

「さーん、にーい、いーち…」


ゼロ、と言ったと同時に廃工場の入り口の扉が吹っ飛んだ。

入り口には、蹴りを繰り出した後のポーズのまま紅郎と零が止まっていた。


「無事か!高村ッ!?」

「生きてッか杏里っ!!!」


二人はほぼ同時に叫んだ。おかしくって、吹き出してしまった。


「な、何…!?なぜ奴らがくる時間がわかった!?」

「女の勘。」


アタシはニヤッと笑って動揺しているソイツの顔に一発拳を繰り出した。

男はその場に顔をおさえて倒れ込んだ。


「……んだ、この力…!てめぇ女だろ!!」

「残念だったな、何年も親から容赦ない拳骨と蹴りを受けてきたアタシを普通の女と思わないこった。

で?アンタ一回アタシを殴ったよなぁ…?どこらへんだったけぇアンタが殴ったの。」


アタシはボキボキと手をならす。床に倒れこみ弱気になった男は、ガタガタ震え出した。


「ちょうどここだよなあっ!!!!」


男のこめかみを思いっきり殴った。ソイツは殴られた瞬間、ガクッと力をなくし気絶した。


「これで平等だ。」


親玉がやられたことで、高校生達はすっかり震え上がっていた。そして逃げようと入り口へ向かうものを……。

鬼龍と零が容赦なく蹴っ飛ばした。


「帰るときは一発蹴っ飛ばされて帰れ」

「ここ通りたきゃ蹴られていけ」


ほぼ同時に全く同じことを言う。ああ可笑しい。本当に可笑しい。


「さー選べ。アタシに殴られるか二人に蹴られるか……」


情けなく高校生達は震え上がった。



数十分後には、アタシ達以外意識を保ってる奴はいなかった。


/ 683ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp