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短編集…あんさんぶるスターズ!【あんスタ】

第49章 独占欲 斎宮宗


アタシらは適当に駅前のカフェに入った。
紅郎と零はコーヒーを注文していたがアタシは……

今月ピンチなので何もなし。 


「ちょっとぐらい奢ってやんのによ……」

「結構。年下が生意気言うんじゃないよ。」


そう言ってアタシは水を飲んだ。


「杏里は甘えるのが下手じゃのう。我輩のコーヒーをやろうか。」

「…黙ってろジジイ」

「おい朔間、高村は苦いの嫌いだからコーヒー飲めねえんだよ。」


紅郎でケラケラと馬鹿にしたように言う。
別に、そんなカフェインだらけのもん飲まなくたって不便はない。


「つーか零、ただくっちゃべるためだけに呼んだのかよ」

「まさか。我輩、まだそこらへんはしっかりしとるぞい。」


零はコーヒーを一口すすり、真面目な顔になった。まあこの面子ならどうせ……


「斎宮くんのことじゃよ。」


ほら、宗関連じゃん。


「……………宗か」

「何かあんのか、高村?」

「いや…………別に、」


最後にあったときのことを思い出す。もう大分前だ。
あの時の最後の言葉は強烈だったなあ……。


「最近、学院にも来なければ界隈にも顔を見せんようじゃ。」

「居候の影片に聞いても部屋から出てきさえしないらしい。」

「………………まあ…こてんぱんにやられたって言うからねえ。しかも宗の心を抉るようなやられ方。」


あの時のライブはアタシも見に行った。
宗からしたら、どれほど苦しいことだったか……。という同情はしない。

宗も…あのステージに立っていた子達も、それは望まないだろう。


「……ありゃ、そういえばさっきのなずなくんは…」

「そういや知らなかったな。元々は斎宮と組んでたんだよ。」

「ふーん、居候のみかくんとは今も組んでるって知ってたけどそれはそれは。」


少し嫌みに聞こえたのか、紅郎が睨んできた。


「アタシがどうこう思うものか。全部は………そう、他人の勝手だろう?

紅郎がアタシに何もかも擦り付けて消えてったのと同じ。ねえ?」


アタシは怯まない。

だって紅郎にアタシを咎める資格なんてないのだから。
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