第6章 怖すぎて 天祥院英智
午前中の授業は何一つ頭に入ってこなかった。昼休み、再び真意を敬人さんに聞きに行こうと教室へ向かった。
「おおっ!あんずではないかっ!」
「ち、千秋先輩…!」
あ、やばいホッとするこの人。
「昨日の特撮見ました~っ!!久々に見るといいですねぇ!!」
「わざわざ報告に来てくれたのかっ!?嬉しいぞ!!語り合おう、あんずっ!!」
というわけで特撮について語り合った。
あ、目的忘れてた…。
放課後、もう全てを忘れてランランスキップで紅茶部へ参る。
「あんずさ~ん!」
「創く~ん!!」
紅茶部に入れて嬉しいことはマイスウィートエンジェル創くんに会えることっ!!
「あんずちゃん」
…え、創くんと同じノリで会長に接して良いの?どうしたらいいの?
いや落ち着けあんず、家で練習しただろう!?
「せ、せせせ生徒会長っ!!マフィン作ってきましたぁぁぁぁっ!!」
「本当かい?早速作ってきてくれるなんて、嬉しいなぁ。」
ニッコリ笑って生徒会長はマフィンの入った紙袋を受け取る。
「何かバレンタインのカップルみた~い」
「凛月くん……!!」
私は床で寝ていた凛月くんにしゃがんで目線を合わせた。
「マジでやめてそういうのっ……!!」
「スカートの中見えるよー」
「へ、変態っ!!!ていうか床で寝転んでんじゃないわよっ!!凛月くんなんてもう知らないもんっ!!」
そこまで言ってハッと口をふさいだ。凛月くんはニヤニヤ笑っている。
「もんってねぇ……」
「あぁぁぁぁーーーっ!忘れて!お願い忘れてぇぇぇっ!!!創くんっ!凛月くんがいじめるぅ~!!!」
「大丈夫ですよあんずさんっ!可愛いかったです!」
いやフォローになってないからぁっ!!!
生徒会長は笑ってるんだろうなぁと思って顔を上げようとすれば頭に何かがポンとのせられていて顔を上げられなかった。
「……生徒会長?」
制服の感じで分かったが、何故こんなことをするのか。はっ!まさか馬鹿にされている…っ!?
「……えっちゃん…………」
「見ないでほしいな……」
何がっ!?と思うも顔を上げられない。
無理矢理えいやっ!と上げれば生徒会長の顔が真っ赤だった。