第6章 怖すぎて 天祥院英智
「あんずちゃんは料理が上手と聞くけれど…君が食べたお菓子も食べてみたいね。」
お断りしますと言える強い女になりたい。こんな胃に穴が開きそうなお茶会は初めてだ。
「わ、わかりました…作ってきます」
「ふふ、楽しみにしているよ」
ハードル上がった…!楽しみにされた…!いや実は冗談とか。んな訳あるかこの人に限って。
「…全然仲良くなれてないよ?」
「凛月くん余計なこと言わないで!」
一生紅茶部になるぅぅぅぅぅっ!!!いやぁぁぁっ!!
「あ、あの。まず呼び方から変えたらどうですか?」
「あ~、確かに生徒会長って呼び方距離感じるかも。」
「えぇっ!?でも生徒会長は生徒会長だよ?」
それ以上でも…それ以下でもないキリッ
だって名前が高級感あふれ出てて呼びにくいんだもん。天祥院だよ?英智だよ…?
とりあえず呼び方は保留として、その日は解散となった。
紅茶部に朝練などないが図書室を利用したかったので後日朝早くに学校へ向かった。
図書室へ行くと副会長がいた。
「む、早いなあんず。」
「副会長こそ。あ、一つ聞きたいんですけど。」
「何だ?」
副会長は話ながら本の整理をしている。本当に律儀な人だ。
「私が敬人さん、て呼んだらどう思いますか?」
「別に俺があんず、と呼んでいるのだから違和感はないだろう?というか何の話だ?」
私は借りたい本を探しながら昨日の出来事を話した。副会長は納得したようである。
「好きに呼べば良いだろう。しかし英智の奴は近頃口を開けばお前の話ばかりだぞ。」
「…?そうなんですか?何ででしょうねぇ…」
「いい加減、惚気話にはうんざりだ。」
「え?生徒会長彼女いるんですか?」
そう言うと敬人さんは呆れかえった視線を向けてきた
「あいつは好きなんだろう、お前のことが……………って貴様、このようなことを俺に言わせるな…!告白されたなら知っているのだろう?」
え、じゃあ保健室で凛月くんが好きだよって言われたことにやけに聞いてきたのは…
真緒くんが言ってた告白って…
生徒会長が言いたかったことって…
「……あ……う、……う………………嘘だぁ……!!!」
「ま、まさか気づいていなかったのか!?確かに返事が曖昧だったとは聞いていたが…?」
ここから、いったいどうなるんだ…!?私!!