第6章 怖すぎて 天祥院英智
「というわけで、仲良くなるまで仮入部だよ。よろしくね。」
憎い。権力が憎い。私入りたいとか言ってないのに紅茶の知識何もないのに
生徒会長はお茶菓子を用意すると席を立った。隣に座っている創くんに絶望の視線を向ける。
凛月くんはそこら辺に寝転がっていた。
「創くん…私、紅茶のこと何も知らないんだけど…とりあえず一滴も残さず飲んだらいいんだよね?」
「そ、そうですね。とりあえずは。」
ティーカップを持てば緊張のあまりカタカタと震えた。
止まれこの震え野郎。
「あ、あんずさん、まだ熱いと…」
創くんの忠告むなしく私は一口飲んでしまった
「だ、大丈夫ですか!?」
「平気平気っ…!全っ然平気…!」
「涙目だよ…?」
凛月くんは起き上がって私をじーっと見てきた。
「こんな時ばっか起きてるんだから…!」
「見ちゃった~」
「最っ悪」
すると生徒会長が戻ってきてマカロンを置いた。
「おぉ…!マカロンだぁ~!」
「ふふ、あんずちゃん」
そして生徒会長は地獄の一言を発した
「僕も見ちゃったよ」
……だから嫌なんだこの人は。
「創く~ん!生徒会長がいじめるぅ~!!」
「あんずさん…僕に抱きつかないでください!」
だって頼れるの君しかいないんだもん!!
「何でこうなるんだい?凛月くんの真似をしただけなのに…。」
「えっちゃんの冗談は冗談に聞こえないからねぇ…。あんず、嘘だよ。えっちゃんは見てないから。」
「……本当?」
生徒会長の顔を見ると落ち着いた顔で紅茶を飲んでいた。
あなどれん…!!
創くんはマカロンを頬張ってニッコリと笑う。天使。
「あんずさんも食べますか?と言っても、作ったのは凛月先輩なんですよね?」
「おや、そうなのかい?知らなかったよ。」
凛月くんが作ったにしては見た目が普通だ。試しに食べてみるとすごくおいしい。
「せっちゃんと作った」
なるほど、納得。