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短編集…あんさんぶるスターズ!【あんスタ】

第47章 何事にも屈しないけれど時には泣いてしまいそうになる 衣更真緒


衣更と朔間とはクラスが別なので、当然普段は授業が別だが体育ともなると違ってくる。


「1限から体育って、やる気なくなっちゃうよね…」

「奇遇だね、遊木くん。私もこの瞬間が一番嫌いだよ。」


運動ができない部類に入る私達は、ズーンと朝からネガティブを爆発させていた。


「おーい、お前らー!何やってんだ、もうアップ始まってんぞー!とっととグラウンド一周してこい!」

「先生!男子と同じ距離走らさないでください!」

「おっしゃ!二周走るかー!」

「ただちに一周走ってきます!」


鬼、悪魔!下衆め!!

そう罵り私は走りきった。走りきれば準備運動と柔軟が待っていた。

準備運動は良いけれど……二人一組になり、相手の背中を押したりする柔軟には問題があった。


「僕達が一番遅くなっちゃったね。急がなきゃ!」

「…………ぁ」


私は固まってしまった。
そんな私を見て、遊木くんは思い出したようにハッとした。


「ごめん!衣更くんと変わってもらってくるね!!」

「あ、遊木くん!」


彼はササッと走っていき、戻ってこなかった。代わりに衣更が来た。

私には一つ弱点がある。


男子


それは夢ノ咲にいる私には痛いことだった。


「ほら、早くやんぞ。」

「ご、ごめ…」

「良いって!!」


喋ったりするのは平気だった。でも触るとなると、衣更や朔間以外の男子は怖かった。

長座体前屈でいーち、にーい、と背中を押してもらっている間に少しへこんだ。

遊木くんに悪いことをした。


「…………いった!!いったたたたたたたッ!!ちょ、衣更!!痛い!!」

「ほれほれー!」

「あーもう!ふざけんなーーーーッ!」


そんな私に気づいてか気づいてないのか、衣更はおどけてきた。

まあ気づいたんだろう。


衣更はそういう奴だ。

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