第2章 夢の話し 遊木真
「ま、こ………、と…くん………!」
真くんは放送室にいた。運動音痴は最大限に発揮され追いつけず真くんが行きそうな場所を探し回りもう死ぬんじゃないかって位に苦しい。
「はぁ~…………一から、説明す…ると、ねぇ、~…?」
息がキレッキレな状況だったが何とか説明する。すると暗かった真くんの顔がみるみるうちに真っ赤になっていった。
「うわぁ~!!すっっごい恥ずかしい…!!本当ごめん……!!」
「いやいや、分かってくれて良かったよ~。あードキドキした。お兄ちゃんと神崎くんが喧嘩するだなんて思わなくて~。チョ~疲れたぁ~」
「あっはは。チョ~っていうの、泉さんにそっくりだね!」
すっかり機嫌が直ったようでホッとした。
のもつかの間
「よーし今から拙者の放送委員の当番…」
放送委員の当番らしい忍は私達を見た瞬間にギョッとしてそそくさとドアを閉めてしまった。
「ちょ、ちょっと!?仙石くん!?」
「も、申し訳ないでござる!二人の時間を邪魔してしまって……!」
「いや違うから!チョ~勘違いしてるから!こら忍~!」
真くんの次は忍に説明しなければならなかった。忍は最初パニックだったがようやく理解してくれた。
「なるほど~。てっきり学校デートかと…!申し訳なかったでござる!」
「も~!忍ったら!」
必死でペコペコ謝る忍を見ていると何だか怒りも収まり可愛いと思えてきた。
「と言っても勘違いしても無理ないかな~。ね、真くん」
「あはは、そうかもね…。」
真くんはどこか曇った笑顔だった。私はそれに気づいたが忍の対応でどうしたのか聞けなかった。