第46章 クソ野郎が結婚したようです 七種茨
気づけばそのまま寝ていた。
俺はハッとして時計を見ると、夜中の3時だった。
意を決して部屋の扉を開ける。ノックをすれば拒絶されることはわかっていた。
鍵はかかっていなかった。
部屋の電気をつけると、あんずさんは部屋の隅っこでグッタリとして規則正しい寝息をたてていた。
パジャマ姿の彼女を見て、自分が風呂に入っていないことに気づいた。彼女の目は泣きすぎて腫れていた。
抱き上げて、寝室まで運ぶ。
ベッドに下ろして、よく寝てるなあとツンツン頬をつついたりするも反応はない。
とりあえず風呂に入ろう。
結婚してから風呂の用意は全て彼女がしてくれていた。なのでいつもの癖で彼女の部屋へと向かっていた。
あれほどのことがあったから、してくれていないと思えばいつも通りパジャマはそこに置いてあった。
いつも、彼女が仕事をする机の上に。