第46章 クソ野郎が結婚したようです 七種茨
ともあれ、先輩もなぜ凪沙さんにこんなに嫌われているなかわからないとのこと。
とりあえず三人とも他に仕事があるので打ち合わせは終わりにして、あの人に電話を掛けた。
『もしもし~?』
「青葉先輩お久しぶりでぇすッ!」
「久しぶりです、そのでぇすってなんか可愛くて良いですね。」
相良先輩とは月とスッポンな神対応に感激して、本題へと入る。
「あの、聞きたいことがあるんですけど。」
『はいはい何ですか?今休憩中ってだけなんで手短にお願いしますよ。』
と、いうことなので単刀直入に尋ねた。
「相良先輩と凪沙さんってどうして仲良くないんですか?」
しかし、先輩からの返事はなかった。
返事が返ってきたのは、大分後だった。
『正直に言いますとね
僕もわかりません』
予想外の言葉に、唖然とする。しかし先輩は続けた。
『もしかしたら日和くんは知ってるかもしれませんが……英智くんもこのことは知りません。僕らfreの中で、暗黙の了解になってたんです。二人のことには触れないようにって。』
不穏な空気が電話越しに伝わってくる。このことについては口にも出したくないという感情がヒシヒシと伝わってくる。
『すみません、僕はもう時間なのでこれで………』
「は、はい!ありがとうございました!!」
『いえ、力になれず申し訳ないです。そうですね、一つ言えるとしたら………
あまり詮索しない方が良いかもしれませんよ。』
青葉先輩はそう言ったが、私は腑に落ちない。
嫌な感情が頭の中をぐるぐると巡りだした。
『………って言っても、無駄でしょうけど。忠告はしましたよ。』
全てを見透かしたような言い方をして先輩は電話を切った。
まるで、この件には関わりたくないというように。
相良先輩が言っていたアリとパンの話はくしゃくしゃに丸めてポイ捨てするとして。
この件については更に色々調べていかなくてはならない。