第6章 怖すぎて 天祥院英智
「あー……あんず」
「何?」
プロデュース中の休憩時間に真緒くんがやって来てヒソヒソ声で話し始めた。
「お前、最近…凛月と一緒にいるよな?」
「ん…?そ、そうかな…?」
そう言われればそうかもしれない。でもことあるごとに生徒会長の話なんだよ…?
「付き合ってるって本当か?」
「訳の分からないことをほざく真緒くんのはちみつレモンはこれからレモン切らずに丸々1個で作るね」
「いやいやいやっ!!待てよあんず!それはやめてくれっ!!悪かったから!!」
真緒くんは焦って私をなだめる。というか何なんだ最近!!男女が一緒にいれば付き合ってるだなんて迷信なんだよっ!!
男子校通ってる時点でおかしいのかも!?だけれども!!
「誰とも付き合ってませんから。好きな人いませんから。そもそもアイドルはアウトオブ眼中!」
「そ、そうなのか…?」
「だってアイドルとつき合うの恥ずかしいじゃん?」
その話を聞いていたのかスバルくんはどーしてどーしてといきなり聞いてきた
「じゃあさ、あんずが好きで好きでたまらない人がアイドルだったら!?」
「叶わない恋でしょー。キッパリ諦めるかな。ていうか、アイドルの好きと恋の好きはけっこう違うよ。アイドルを好きになってもつき合いたいとはならないと思うけどなぁ。」
そう言うと真くんや北斗くんも混ざってきてプロデュースそっちのけの恋バナが始まった
「例えばあんずが俺達の中の誰かを好きになり、俺達がこのまま活躍するアイドルになったらどうだ?」
「でも、有名になったらスキャンダルとかあるし…彼女持ちのアイドルってちょっとって人達多いと思うよ……?」
「好きになったらそういうの関係なくなるんじゃない?僕、よくわかんないけど…」
というか何の話してるんだ。プロデュースさせてくれよと言いたいところだが私より4人が熱中してしまっている。
……恋ってよく分かんないや。