第43章 …………マリーなんとか 乱凪沙 後編
あんなことがあったから、いざ式の日になると………
やっぱりブルーだ。
「浮かない顔ですね?」
ドレスを着付けてくれた人が苦笑する。
「緊張して寝れなかったんですか?よくありますよ。」
どうやら良い方向に勘違いしてくれたようだ。
彼女は式までごゆっくり、と部屋を出て行った。
その直後に私は頭を抱えた。
「………ああもう」
嬉しいはずのに。
何でこんなに…………………
究極にブルーになっていると部屋のドアがノックされた。
誰にも会いたくなかったので無視をした………のだが
「あんずちゃん!君に殴られカメラを粉々に砕かれる覚悟はできてるよッ!!」
「どもっす。綺麗っすよ、ドレス姿。」
「あああんずさん!あなたはやはり天国から落ちてきた天使だったのですね!!」
「ジュン以外帰れ」
まともなコメントもできないのかコイツらは。………まあ、誉められるのは苦手だから良いんだけど。
「おやおや、照れているのですか~?」
「照れてないッ!!」
「…………綺麗」
「だから黙って………………!」
茨が言ったのだと思って勢いで言ったが私の目の前にいたのは………
「凪沙くん!似合ってるねタキシード!!」
「……………ありがとう」
いつの間に入ってきてた!?このあほども(ジュンを除く)と一緒に来た!?
あああ恥ずかしい
部屋の隅っこで屈んで照りを冷ましていると凪沙さんがどうしたのかと寄ってくるのはシッシと追い払う。
「………そんな調子でこれから大丈夫なんすか?」
「もーやめてよそんなこと言うのー!!……あ」
しまった
やってしまった
凪沙さんの前で素になるの初めてだったーーー!!!
恥ずかしいから隠そうと思ってたのに!!
茨との電話のときのは二日酔いで折角全部忘れてくれてたのにッ!!