第43章 …………マリーなんとか 乱凪沙 後編
「…………あんずさん?」
「え、いやその」
「…………今更だから私、気にしないよ?」
その言葉に、更に固まった。
…それはつまり……知ってたってこと?
「…………必死に隠してたみたいだから気づかないふりをしていた。」
「その優しさ痛いよ!?」
「…………でも、そんなところも可愛いくて好きだよ。」
「これ以上はあんずちゃんがもたないね!?そこらへんにしとこうか凪沙くんッ!!」
真っ赤になった私の肩を、ジュンが慰めるように叩く。それをペイッと乱暴に凪沙さんが引き離す。
「…………」
「あの、わかりましたからそんな威圧感溢れる顔で見ないでくれます?」
何事かと首をひねっていると茨と日和さんがニタニタ笑ってグイグイ私に近づいてきた。やはり訳がわからず更に首をひねる。
「…………私を怒らせたいの?」
「「うん!/はい!」」
「いや何言ってるの!?」
「…………私の」
二人を押し退け私をグイッと抱き寄せる。
「…………私の妻だから」
そしてギロッと三人を睨む。
「…………いくら君達でも許さない」
「閣下ッ………!!」
茨は怯えるどころか目に涙をためうるうるしだした。
「閣下がッ……あんずさんをちゃんと愛していた!」
「おい茨どういう意味だ」
「凪沙くんが嫉妬した記念日だね!!」
「いらねーよそんな記念日」
「あんずさんのドレス姿カメラに撮りたいんすけど…」
「好きなだけ撮れ」
やはり、愉快だがめんどくさい人達だ。
凪沙さんと一緒にいる限り、この人達との縁は切れないだろう。
「……凪沙さんと同じくらい、皆のこと好きだけどなあ」
「え?」
日和さんがそれを聞き逃さなかった。しまったつい口にッ…!
「…………ダメ」
「いや、あのですね!?」
「あんずさんありがとう僕も大好きだよ!!」
「…………絶対ダメ」
「人の話を聞けーーーッ!!!」
愉快すぎて困るときもあるけれど…………
「もう!!大好きです!!これで良いですか!!」
皆(凪沙さんを除く)満面の笑みで、その後はとても幸せな結婚式になった。
いつか、私は………
凪沙さんの一番になれると良いな。