第42章 …………マリーなんとか 乱凪沙 前編
やっと解放されたのはおやつ時。今からご飯食べたって晩御飯が入らなくなるし……
最悪、ああお腹すいた。
凪沙さんは満足そうに、キッチンからリビングに行ってポケットから小さな意思を取り出しソファーに寝転がりマジマジと観察を始めた。
もうキッチンに用はないので私もリビングに行ってテレビをつける。ソファーは占領されたので床に体育座り。
結婚式前なので、お互い仕事が少ない。周りの人達が色々配慮してくれたのだ。その分、式の後には働くが……。
「お、fine…」
ワイドショーがやっていて、ゲストに彼らが出ていた。凪沙さんはチラリとも見ずに、
「………番組変えた方がいいんじゃない?」
と言ってきた。
なぜそんなことを言うのだろうかと謎だったが…
その理由はすぐにわかった。
司会者が、意気揚々と話だすその内容は………
「いやあ!EdenとAdamのリーダーである乱凪沙さんがご結婚されるそうで!おめでたいですねー!!」
ということである。最近のテレビはやたらとこのことばかりだ。お陰で同僚からも茶化された。ああ、わかっていたけれど…………ッ!!
「お相手はプロデューサーの女性らしくて!僕、一度彼女とお仕事をご一緒させていただきましたが綺麗な人ですねー!」
ああああまじでやめろ司会者
「ふふ、とても美人ですよ。僕ら、高校が一緒でね。」
「そーそー!最初はなんちゃってプロデューサーだったのにねー!」
「懐かしゅうございますね。お祝いの品を送らねばなりません」
「誉め言葉に弱いですからね、今ごろテレビの前で真っ赤なのでは!?」
「「「絶対なってるね/なってるなってる/なってますね」」」
今度あったとき覚えてろあんたらーーーーーッ!!
差し入れに蜂蜜づけレモン(タイヤみたいに太いレモン)くれてやるからな………ッ!!!
真っ赤になってもだえる私を見て、凪沙さんはチャンネルを変えた。
「………だから言ったのに」
「すみません……」
何だかんだで尻にしかれてる私である………