第41章 君は高校生だった 天満光
「ま、待って、お願い落ち着いて………ッ…!!」
「イヤだ!!」
天満くんは案の定、グラウンドに向かおうとしていた。それを昇降口で発見し、皆で止めにかかる。
「風邪引くだろ!!」
「光ちんお願いだからやめてくれ!!」
「一緒に帰りましょうよ~!!!」
私含め、四人で止めにかかっているのに止まることを知らない天満くんはなおも進もうとする。
「あ~もう!今日はどうしたんら~?いつもはもっと良い子らのに…」
仁兎先輩がそうこぼす。確かに、いつもならそろそろ食い下がるはずだ。
天満くんはキッと仁兎先輩を睨んで怒鳴った。
「にーちゃんのバカッ!!そんなこと言われたって嬉しくないんだぜ!!!」
皆の動きがピタリと止まる。
……それくらい天満くんが誰かを罵倒するのは珍しいことだったから。
「ふーんだ!!」
天満くんはその隙に玄関から出て行った。
雨が降ってる中、傘もささずに……ひたすら走って行った。
rabbitsの皆の動きは止まっていた。
こりゃしょうがない。
「私、行ってきます」
とりあえず、止まっているのはどうしようもないので放っておく。ここは私がしっかりせねば。プロデューサーとして。
傘をさし、下靴に履き替え外に飛び出す。彼の背中が消えていった方向からしてグラウンドではなく校門だから…………
外か。