第39章 溺愛大作戦 葵ゆうた
「ご、ご迷惑をおかけしました…」
「いっぺん死んで詫びろくそガキ」
浜辺で寝かされた葵ゆうたはグッタリとしている。あんずやら流星隊の奴らはせっせとパラソルやら水やらゆうたの下に運んでいた。
「泳ぎが達者とは知らなかったのう。意外な特技じゃ。」
「きょーちゃん大会で優勝したことあるよ!」
「アイドルより水泳やりゃ良かった」
ボソッと呟けば周りがシーンとした。
あぁそうだこいつら俺の不登校理由知ってたんだ………
俺は黙ってそこを去った。
この空気はどうしようもない。というか早く帰りたい。そろそろゲームのHP満タンになってるだろうから。勿体ない!
「うー……きょーちゃんやっぱり気にしてたのね。」
「何とかできませんかね…」
過ぎ去る背中を見ながらあんずとゆうたが頭を捻る。
「吾輩に名案があるぞい。確かこの後、ビーチフラッグがあって勝った方がライブをやるんじゃったのう。」
「はい、そうですけど……」
「そのイベントの前に、もう一つイベントを設けよう。」
零の提案に、全員が賛成した。
早速一同は、準備に取りかかった。