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短編集…あんさんぶるスターズ!【あんスタ】

第39章 溺愛大作戦 葵ゆうた


夏だ。


「ねえ、夏って言えば何かな?」

「コミケと夏イベと夏限定グッズ」

「アニオタの思想だね!?」


そう妹と会話した記憶は新しい。

何で、何で、何で。


「……………らっしゃいませ………」


海の家でバイトなんだよ。


「きょーちゃんもっとやる気だしてくれなきゃやだよ!あと口にくわえた棒付きキャンディとって!」

「ふざけんなこの棒付きキャンディはオレンジだぞ。あとそんなにやならやめる。」

「ごめんなさい働いてください」


その様子を見て零がケタケタ笑う。
笑ってんじゃねえよ………笑い事じゃねえよマジで……


「学院に来ないお主を心配して誘ったのじゃ!元気をださんかい!!」

「うるせークソジジイ。凛月に殺されてしまえ。」

「いつになく辛辣じゃの!?」

「あれ?きょーちゃん凛月くん知ってるの?」


キョトンと妹が聞いてくるので一年の時にクラスが同じだったことを伝えた。
あいつは………ほとんど授業出てなかったし出ても寝てたが。

  
「それより彼氏はどーした」

「………?」

「ハテナ飛ばしてんなよ。休憩だろーが遊んでこい俺の視界から消えろ」

「何で!?」


ひどいひどいと半泣きになりながら妹は走り去っていく。


「よし邪魔者は消えた。零も失せろ、俺は今から…………」

「おや強師くん、あれは………」


零が指さす方向には……


「沖でゆうたくん溺れてるっす!」

「助けを呼ばないと!!」

「俺のゆうたくんが~!」

「飛び込んでは駄目でござる!あんず殿はかなづちであるからして!」

「いやーーゆうたくーーーん!!」


俺は舐め終わったキャンディの棒をゴミ箱に突っ込んだ。


「どういう星の下に産まれりゃあんなトラブルに巻き込まれるんだよ…零これ持ってろ!」

 
パーカーを脱いで無理やり髪につけられた花飾りを全部とって零に渡す。

そしてそのまま海に飛び込んだ。

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