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短編集…あんさんぶるスターズ!【あんスタ】

第38章 俺の奥さんちびっ子さん


「すみません姉御ッ、俺がッ、俺がッ………!!」

「泣くんじゃねえよ鉄」

「………でも何でクリスマスに中華料理店」


ちゃっかり晩ご飯に同席する2人。
クリスマスなのでガランガランの中華料理店の片隅で、四人が騒がしく座っている。


「ん?美味しいっすよここ!」

「おいひいれす」


シマリスのようにチャーハンを頬張るあんず。その顔があまりにも幸せそうなので何も言えない。


「うーみゅ、どうやったら家でこの味が出せるんすかね。」

「家で出されちゃせわねえよ!」


厨房から威勢の良い声が轟く。
どうやら店主に聞こえていたらしい。


「そりゃそうだ。」

「でも本当に美味しいぞ紅郎ちん!モグモグッ!」


仁兎もあんずに負けじと食べる。


後輩夫婦はというと何一つ会話もなくただ黙々と食べている。


(………こいつらこれで良いのか?)


正直思わないでもないが他人ごとだ。気にしてもしょうがない。鬼龍も黙々と食べた。




















「悪いな鉄、ご馳走になっちまって。」

「良いんすよ、姉御を助けてくれたんすから!」

「………………姉御はやめようね」


控え目に呟くあんずに、鉄虎が頭を勢いよく下げる。そこまでしなくても、とアタフタするあんず。


(………見ててハラハラするぜ)

(あぁ、何か言ってやりたいけど……ッ!もう後輩じゃないし………!!)


お兄さん属性の二人はドギマギしながら傍観していた。


しかし、最後には笑顔になるこの夫婦。
ハラハラさせて杞憂で終わるのだから、これ以上は心臓に悪い。


「んじゃ、俺らはそろそろいくぜ。」

「じゃーな!また会おう!」

「押忍!ありがとうございました!」

「ありがとうございました」


途中、やはり気になるので鬼龍と仁兎は後ろを振り返った。

そこには仲むつまじく歩く二人の姿が。


「……手はつながないのか…?」

「新婚、じゃないしな……鉄も25だぜ」

「あんな頼りなかった子達がなあ………」


しみじみしながら、鬼龍達はその場を離れた。

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