第35章 神様に懐かれているのです!! 姫宮桃李
「大丈夫……ってえぇ!?!?」
騒ぎを聞き付けた皆が駆けつける。しかし……
神に抱えられた(宙に浮いたように見える)二人を見て、目が点に。、
「な、な、な!?」
「…………説明してもいいのです?」
あんずが問うと、神は黙って頷いた。その場に二人を下ろす。
すると、彼を包んでいた光が消え…………
青年男性の見た目が、小さな小さな子供の姿になった。
「わ、わぁーーーー!?!?」
今度は桃李が驚く番。何もない虚空を見て叫び声をあげる桃李全員が首を傾げた。
「力使い果たしました~!何百年もチマチマかけて集めた信仰の力が…………」
落ち込む神をよそに、あんずが皆に説明をする。
「……あれ」
そんなさなか、友也が目をこすりだした。
「……俺、何かその神様とかいうの見えるかも」
「…ッ僕も」
「わーぉ、俺も見える…」
「お、俺も……」
「えぇ!?何でなのです!?」
神は少し悩んだ後、ポン、と手を打った。
「皆、今日の出来事で霊感が開花したんですね。いやぁお気の毒。」
ケラケラと神は無邪気に笑う。
それを聞いた皆がえぇー……と言う顔をしている。
「さ、家にお帰りなさい。何なら送りましょうか?」
「……いや、夜道には気をつけますね」
暗い顔をした4人は、帰って行った。
残ったのは神とあんずと桃李。
「………それじゃあ、私は先に参ります。ここら周辺の霊はあらかた祓いましたので、安全だと思います。」
神も去って行くと、二人きりになった。
「帰ろっか」
「……うん。」
眠いのか、桃李はしきりに目をこすっていた。