第35章 神様に懐かれているのです!! 姫宮桃李
「今後神様にはお仕事頼まないようにするよ……あれから生徒会室に変なお祓い屋さんが来てさ……大変だから……」
「それが懸命なのです」
どうやらあの件は解決(?)に向かって入るらしい。
「ねぇ、あのさ。」
胸をなで下ろしていると、彼はコソコソと耳打ちしてきた。
「1回、二人きりにしてくれない?」
両手をギュッとあわせて、上目遣い……これ、無意識ですかね。
可愛い←
まぁ、彼には悪霊は寄ってきませんし。(嘘ですが)
あんずちゃんも悪霊には近づかないだろうし。
「分かりました」
大人しく二人の側を離れたが、私は少し焦りを感じた。
このまま、私をあんずちゃんが必要としなくなったらどうしましょう?
だって、ただでさえ信仰がないのだから。信じてもらえない神様なんて必要なくなり、消えてしまうのだから。
「あれ?神様は…」
「ちょっと用事だって!ねえ、あんず。ギューッてして!」
「良いのです。姫くん甘えん坊で可愛いのです。」
神様がいると分かって依頼、全くこういうことはなかった。
だから、あんずも少し嬉しかった。
だが………
(…神様いないと不安なのです。大丈夫でしょうか…?)
彼女も、少々焦りを感じていた。
「あんず」
「はい?」
「今夜ね、学院で肝試ししようってひなた達に誘われたんだけど一緒に行かない?」
「……え?」
唐突な誘いに、驚く。
桃李の狙いはこれであった。恐らく、あの神はこれを許さないから。
「でも……私、肝試しなんて……怖い……怖いのです…!」
「大丈夫、僕がいるもん!」
「小さい頃、私……肝試しで、たくさんの悪霊と会って…怖くて………神様がいないと、駄目……なのです…」
あんずが少し震えていた。しかし、神様のことばかり言う彼女に桃李はなぜか怒りを覚えた。
「僕が守るんだから、大丈夫!!」
むきになって言い返した。あんずは、少し悩んだ後に渋々頷いた。