第4章 全力放置 朔間凛月
「うーん、こんなんでいいのか…?」
言わずもがな保健室には先生がいないので真緒くんが治療してくれた。
私は涙で前が見えない。
「泣くなって。大丈夫だからよ…。で、どーするよ?授業………出れないな。先生には言っといてやるから、寝てたらどうだ?目も冷やすんだぞ。ほらよ。」
冷蔵庫から保冷剤を出して(ご丁寧にハンカチつき)ベッドのシーツのしわを伸ばした。
「あり…がと…」
寝転がるとソッと布団をかけてクシャクシャと頭を撫でてくれた。
「お休みな!」
目の保冷剤が気持ちいい。私はウトウトとしてすぐに眠ってしまった。
保健室の扉が開く音で目が覚めた。先生かな?でも、足音が違う…。
今何時だろう。気になったが布団をかぶり直して寝返りを打った。
足音は迷いなく私が寝ているベッドに近寄ってきてガーデンをサッと開けて入ってきた。
「………真緒くん?」
「そんなにまーくんが言いわけ-?」
その声にびっくりした。凛月くんだ。
起き上がろうとするが頭が痛い。
ここで貧血………!?
凛月くんはベッドに乗ってきた。
「茜」
「……何?」
私の足の上に体を乗せた。つまり馬乗り
少女漫画パート2……
「り、凛月くん…!?」
「こうしないと茜は逃げるでしょ。夜になったら俺の勝ちなんだけどねぇ…。今は夜じゃないからさ。」
何とかしようとするが何とかなるわけでもない。貧血で動けないからどうにもならない。
「ねぇ茜。俺に言うことあるんじゃない?」
「え…?わ、私…」
どうしよう。考えが全くまとまらない。
「…………」
凛月くんは無言でグイッと私に顔を近づけてきた。
「…血を吸えば嫌でも話すかな……?美味しそうだもんね、茜の血。」
「え……嫌っ!ヤダッ!」
グイグイと必死で押し返すが凛月くんは全くひかない。
「大丈夫だよ。ちょっとチクってするくらいだから。」
「ヤダ…!やめて、凛月くんっ…!」
凛月くんはニヤッと笑って更に顔を近づけてきた。
「いいね、もっと見せてよその顔。まーくんにそんな顔見せてないよね…?」
少し声が低くなって赤い目がキラリと光った。